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ペットフードの基礎知識

ペットフードの原材料

食資源の確保

ペットフードには、犬や猫の必要な栄養基準を満たしバランスよく栄養を供給することが求められています。さらに、つねに安定した価格で、嗜好や健康に考慮した製品を製造するために、優れた品質の原料を大量に確保することが必要です。しかし、ペットフードの主原料である、穀物、畜肉類、魚類等は天然原料であり、天候や季節によって収穫に大きく影響を受けることもあります。また、自然のものは、地域、気候、季節によって栄養成分が異なる場合があります。ですから、どのような原料供給の状態にあっても、製品に同一の栄養成分が確保できるよう、主原料の部分的な入れ替えが必要に応じて行われています。

ペットフードには、食品に使用される原料・食材が利用されています。加えて、植物性原料を含む多くの飼料原料も利用されています。かつては、ペットフードは人があまり利用しない原材料を有効利用することにより、人の食材と競合しないようにして製造されていました。

食用原料とペットフード用の原料の違いは、使用目的と効率の良さによる違いです。たとえば、人から見ると味や食べやすさで多少劣っていても、高い栄養価や経済性からペットフードにとって価値ある原料として利用されます。ところが「人が食べている原料だから安心」との消費者ニーズもあり、今日では人の食材の利用が高まり、人の食材と競合するようになってきています。たとえば猫用缶詰は、1960年代から1980年代は食用の缶詰製造時にニマグロやカツオの白身以外の利用されない血合肉(白身肉と同じ筋肉ですが、血液と同じ色素成分が含まれ、栄養成分的には白身肉より多くの有用成分を含んでいます)を使用した缶詰が主でしたが、最近は食用と同じ白身肉主体の缶詰が増えてきています。

一方、世界全体では人口問題や環境問題が深刻さを増しており、限りある食資源をより効率的に活用することが求められています。食資源確保の観点からも、製造に携る事業者の一層の企業努力と、ペットフードの原料について消費者のよりよい理解を得ることが大切だと考えています。

安全性の確保

ペットフードに使用される原料については、安全に利用するための法律が各国で整備されており、食品と同水準の品質管理が行なわれています。日本でペットフードに使用される原料は「ペットフードの表示に関する公正競争規約」において定義されており、例えば畜肉原料は、「新鮮または適正な方法により保存されている」ことが定められています。

トレーサビリティシステムの確立

トレーサビリティシステムとは「追跡可能性」という言葉があてられることが多く、原材料の生産から加工、流通、販売などの各段階において、必要な情報を記録・保管し、商品とその情報とを追跡できるようにするものとされています。ペットフード安全法では、製造・輸入の業者登録が義務付けられており、必要に応じた行政の立ち入り検査が行える制度となっています。また、流通段階でも流通業者での商品の帳簿付けが義務付けられています。

ペットフード協会およびペットフード協会加盟各社では、ペットフード安全法の施行に先駆けていち早くこのトレーサビリティに取り組んでおり、肉骨粉(豚・鶏由来)等について原料発注から受け取り、使用、在庫に至るまで、その内容および流通過程を一括して管理しています。

BSE対策

平成13年に日本国内でBSE(牛海綿状脳症)が発生したことに伴い、農林水産省より安全性が確認されるまでの措置として国内における肉骨粉等の製造、流通、使用が一時禁止されました。 その後、牛由来原料の混入が全く無いことが確認された原料業者が製造した豚、鶏由来の肉骨粉等はペットフード原料としての利用禁止が解除されています。 又、平成19年12月4日からBSE非感染が確認された牛から抽出される食用油脂の製造工程から発生する肉粉等に限り、ペットフード用への利用が解除されております。

これらの豚、鶏由来の肉骨粉等、及び牛由来の肉粉等を使用したペットフードを国内で製造する場合、製造工場,生産設備について、 独立行政法人農林水産消費安全技術センターの立ち入り検査により製造基準適合確認を受け製造されておりますので、現在流通しているペットフードは安心してご利用いただけます。

輸入製品についても安心してご利用いただけるよう、ペットフード協会では、BSE汚染国からの牛由来の肉骨粉等を原料として使用しないよう、指導を徹底しております。

残留農薬・メラミン混入の対応

食品におけるメタミドホス混入事件が発生したことに鑑み、ペットフードに使用する原料に関しても、メタミドホスを含む5種類の残留農薬に関する基準がペット安全法により規定されました。また、成分値偽装で多くのペットにダメージを与えたメラミン混入に関しても、ペットフード製造各社の調査確認により、回収及び今後発生のない確認体制を各社毎に構築しています。また、ペットフード協会は定期的に農林水産省に報告しています。