ペットの食事について知ろう!
現在ドッグフードやキャットフードには、たくさんの種類があります。ペットの年齢に合わせて選ぶもの、体重管理を目的にしたもの、形状はウェットもあればドライや半生もある…など、まさにさまざまです。大切なペットに最適なフードを与えるためにはどのように選べばいいのでしょうか?
上手なペットフードの選び方や正しい食事の与え方など、ペットの食事について知っておきましょう。
ペットフードの分類を知ろう!
ペットフードは大きく分けてドライタイプ、ソフトドライタイプ、セミモイストタイプ、ウェットタイプの4種類に分けられます。缶詰などに入ったウェットタイプ(水分量:通常75%程度)は嗜好性が高く、開けなければ保存性が高い商品です。
ドライフード(水分量:通常10%程度以下)はウェットフードより日持ちはしませんが、軽いため持ち運びしやすい商品です。ソフトドライタイプやセミモイストタイプのフード(いずれも水分量25~35%程度)はウェットフードとドライフードのよいところを取って、軽くて運びやすい上に嗜好性も高めてありますが、保存性はあまり高くなく、短期間で使い切る必要があります。
どのフードを選ぶにしてもパッケージのどこかに「総合栄養食」という記載があるものを選びましょう。総合栄養食とは、それと水を与えるだけで指定された成長段階における健康を維持できるような栄養的にバランスのとれた製品です。
ペットの年齢や体重に合わせてペットフードを選ぼう!
動物医療の進歩に伴い、愛犬や愛猫の寿命は近年、飛躍的に延びているといえます。寿命が延びるということは、体が必要とするカロリーや栄養素なども加齢に伴って変化していくということです。犬や猫もライフステージに応じて食事を変えていく必要があります。また、室内飼いのペットの場合、とくに気をつけたいのが肥満です。太りすぎが気になるようなら、体重管理を目的にした低カロリータイプのフードを選んだほうがいいかもしれません。まずは飼い主さんが愛犬や愛猫が、いま何歳であるかを認識し、適正な体重を維持できているのかどうかをきちんと知っておきましょう。
年齢や体調に合ったペットフードを見つけよう!
哺乳期・離乳期
生後0~30日頃までの母乳を飲んでいる時期を哺乳期と呼びます。
子犬や子猫は「食べて、寝る」という生活をします。必要な栄養素は母親の母乳から取り入れますが、母親の母乳が十分に出なかったり、兄弟が多くて十分な母乳を飲むことができない場合は、子犬・子猫それぞれの栄養量を満たす代用乳を与えます。 離乳期には、成長期用のフードをお湯かペット用ミルク(下痢の原因となるラクトースを含まない)で柔らかくふやかすか、専用の離乳食を与えるようにします。
成長期
生後12ヶ月(大型犬までは1歳半、超小型犬では10ヶ月齢)までは成長期用のペットフードになり、グロース、パピー、キトンなどの名前がついていることが多いようです。体が成長するために必要なタンパク質、脂肪、ミネラルを多く含み、全ライフステージ中、最も高カロリー・高栄養食です。また、消化が良いように繊維質や粗灰分は少なめになっています。しっかりとした骨と丈夫な筋肉を作るために適した栄養のバランスになっています。消化機能はまだ未熟で胃も小さいため、一度にたくさんの量が食べられません。生後半年頃までは食事を3~4回に分けて少しずつ与えましょう。
維持期
猫や小・中型犬では1~7歳くらいまでを、大型犬では2~6歳くらいまでの時期を維持期と呼びます。1歳を過ぎたら成犬または成猫用食となり、アダルト、メンテナンスなどの名前がついています。一生の半分はこの時期となるため、大切な食生活となります。バランスのとれた良質な食事を取ることが健康に大きくつながります。
高齢期
個体差がありますので高齢期の年齢は一概には言えませんが、維持期を過ぎると高齢期になります。フードでは高齢期に適切な栄養成分が入った「高齢用」「シニア」などと書かれたものを与えるようにしましょう。犬も猫も高齢になると運動量が減り、老化とともに身体機能が衰えてきます。よって基礎代謝が低下するのに伴い、必要なエネルギー量も20%ほど低下します。維持期と同じ食事では太る原因となったり、内臓に負担がかかったりしかねません。高齢期に合った栄養バランスを考えて、脂肪分を控え、低カロリーで胃腸に負担がかからず消化吸収のいいフードに替えていきましょう。
療法食
病気の治療で行う栄養管理が「食事療法」、そのために用いる特別なペットフードが「療法食」です。フードに含まれる栄養バランスが予防や悪化防止として重要となる病気が多く存在します。例えば、尿石症と呼ばれる膀胱や尿道、腎臓などに結石ができてしまう病気に対しては、ミネラルバランスを調整し、尿のpHをコントロールする療法食を食べさせることが尿石の溶解や再発防止としてとても重要です。他にも腎臓病や糖尿病の管理に役立つフードや、皮膚や関節に良い成分を加えたフードなどが療法食として作られていますので、持病のあるペットは獣医師と相談しながらフードを選ぶと良いでしょう。
食事は1日に1回でもいいの?
維持期では、食事の回数は1日1回の食事でも1日に必要なエネルギー量を消化吸収できる能力があるといえます。 しかし、一度に大量のフードを摂取すると胃腸への負担も大きく、また空腹時間が長いと、体が飢餓状態と判断して吸収率が高まるため太りやすくなります。さらに、胃の空腹時間が長くなると、胃液や胆汁をもどしやすくもなるので、基本的には1日数回に分けて与えるのがいいでしょう。
ペットフード選びは健康維持
ペットは自分でペットフードを選ぶことができません。飼い主さんがきちんと正しい知識を持ってペットフードを選び、適切な与え方をしなくてはいけません。犬や猫のライフステージによって、必要なカロリーや栄養は違ってきます。今の年齢や体重にあった食事内容を選び、ペットが健康に過ごせるようにしましょう!