Life with pet飼育辞典 病気

家庭でもできるペットの病気予防

愛するペットにはいつまでも健康で長生きをしてほしい。飼い主さんなら誰でもそう願うでしょう。健康の秘訣というのは何か特別なことをしたり、高い薬を飲んだりすることではありません。私たち人間で考えてみても、病気をせずに長生きするためのコツは、実は難しいことではなく、普通の事を毎日続けることが大切だったりします。ペットも同じで、毎日私たちがどのようにペットを過ごさせてあげるかがとても重要になります。

ペットが健康でいるために大切なこと:食事

家庭でペットの健康のために最も気をつけなければいけないことは毎回の食事です。ペットは人と違って自分で食べ物を調達できませんから、飼い主さんが食事において健康管理のコントロールをする必要があります。 食事の量、カロリー、必要栄養成分はペットの種類、年齢、大きさ、健康状態で異なります。今のペットに最適な食事を選ぶことが大切です。
まずは毎日の食事の量が適正量かどうかを確認しましょう。毎日決まった時間に体重を計る方法が最も簡単な確認法です。もし適正量であれば、同じ量を毎日食べつづけても大きな体重変化は見られないはずです。体重が増えつづけていれば、食べさせすぎということです。
食事の量とともに重要なことは食事の内容です。「これしか食べないから」とおやつに相当するものばかり食べさせたり、「少しくらいなら」と毎日味の濃い人間の食べ物をお裾分けしたりしていると、カロリーオーバーになって肥満を招いたり、栄養に偏りが生じ、さまざまな病気の原因となる場合があります。反対に食事内容に気をつけることによって発症しやすい病気を予防したり、今ある病気の進行を遅らせることが可能な場合もあります。うちの子に一番適した食事とその量はかかりつけの動物病院に相談してみましょう。

ペットが健康でいるために大切なこと:運動

適度な運動が健康のために良い、ということは誰もが実感していることです。では、ペットにとっての適度な運動とはどのくらいのことでしょうか?
例えば猫は犬と違ってリードをつけてお散歩をすることはありません。でも、家の中で飼い主さんにねこじゃらしなどでしばらく遊んでもらえば、十分な運動量を得ることができます。また、同じ犬でもボーダーコリーのような牧羊犬は一日に何時間ものお散歩をしてもまだ物足りなそうにしていますが、マルチーズのような愛玩犬は10分程度のお散歩でも十分満足してしまいます。
つまり、ペットにとっての適度な運動量とはペットが楽しんで体を使うことのできる内容や量であり、それは個々のペットによって異なります。一緒に運動している飼い主さんがペットの様子をよく観察して運動量を決めてあげましょう。

ペットのストレス

よく、ご長寿の方に「長生きの秘訣は?」と訊ねると、「ストレスのない生活」という答えが返ってきます。確かにストレスは心ばかりでなく体にも影響を与え、ストレスによって発症したり悪化したりする病気が数多く知られています。ではペットにとってのストレスのない生活とは、どのようなものでしょうか?

ストレスのない生活:環境

どんなに活発なペットでも休息を取る場所は必要です。特に猫は一人きりになれる場所が必要な時があります。誰からも邪魔をされない、静かで居心地の良い場所を最低一箇所は確保してあげましょう。

ストレスのない生活:家族

家族を群れとして捉える犬にとって、一人ぼっちは堪えがたいストレスです。かといって、あまりに頼りない家族では自分が群れのリーダーを務めなければ、とまたストレスを を感じてしまいます。人という頼りになるリーダーがいて、その下にいることで犬は初めてストレスのない生活ができると言えるでしょう。
猫は人と親子のような関係で結びついています。ですから、多くの猫は毎日顔を合わせる家族だけを心を許せる存在としています。知らない人にしつこく触られたり、結婚や出産などで新しい家族が加わることは猫にとって大きなストレスとなる場合があります。

ストレスのない生活:しつけ

ペットにいろいろなことを教え込むのはストレスになるのでは…と心配する飼い主さんもいるかもしれません。しかし、たとえばトイレのしつけができていないペットが粗相するたびに毎回怒ったり、イライラしてしまったら、その態度がペットにストレスを招きます。ペットである以上、人と暮らしていく上で最低限必要なことを当たり前にできるようにしつけることが、ペットにストレスを与えない、ひいてはペットの長生きのためには必要なのです。

もちろん、普段から定期的に予防接種を受けたり、フィラリアやノミ・ダニ、お腹の寄生虫の駆虫を行うこともペットの健康のために欠かせない大切なことです。それらに加えて、さらに家庭での生活に気をつけてあげれば、予防できる病気もあります。愛するペットの健康はあなたが守っているのです。