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ペット飼育の薦め

健康のために必要な日頃のお手入れを知ろう

ペットのお手入れというと、すぐにブラッシングやシャンプーを思い浮かべがちですが、実はお手入れをしておきたいところはそれだけではありません。 病気やケガを防ぐ健康管理の一環として、日頃から心がけたい体の各部位のお手入れについて見ていきましょう。

爪切り

猫の爪切り

猫は通常爪を指のさやに収めていて、自分で爪とぎをすることによって常に適度な長さに保っています。ですから爪切りが必要となるのは、決められた爪研ぎの場所で爪を研いでくれず部屋の家具やカーペットなどを傷つけてしまう場合や、人や他のペットを引っ掻く危険がある場合、年をとって上手に爪研ぎができない場合などです。

犬の爪切り

よくお散歩をする犬なら自然に磨り減るため爪切りは不要です。爪切りが必要となるのは、主に室内飼いの小型犬です。日常的に柔らかい床の上を歩き、お散歩の量も少なく体重も軽いので爪が自然に削れることもなかなかありません。
中・大型犬でも、室内飼いの場合や、歳をとってあまり歩かなくなった犬などは爪が伸びやすく、ひっかけて爪をはがしたり、歩行に障害をもたらす危険があるため、爪切りが必要になります。 愛犬に爪切りが必要かどうかは定期的に爪の長さをチェックして判断しましょう。 また、前肢の親指にあたる部位の爪や、後肢の親指にあたる部分の爪(狼爪(ろうそう)と呼びます)は地面で削れることがないため、異常に伸びてしまうことがあります。これらの爪が伸びすぎると、巻き爪(円弧を描いて根元に突き刺さる状態)になることがあります。そうなる前に定期的に切らなければなりません。

爪きりの注意点

犬も猫も爪の途中まで血管と神経が真ん中に通っています。白い爪では透かしてみると赤い血管の部分がみえます。爪を切るときにはペット用の爪切りを使って少しずつ切り、深く切りすぎて出血させないように注意しましょう。万が一出血してしまった場合は、出血部分をしっかりと押さえて止血してください。一度深爪をすると、その痛みを覚えて、爪切りが嫌いになってしまう場合もありますので、くれぐれも注意しましょう。

歯みがき

歯磨きの必要性

犬も猫も虫歯はそれほど多くありませんが、そのかわりに歯石や歯槽膿漏といった歯周疾患が多くみられます。
本来、犬科動物も猫科動物も野生の世界では獲物を捕まえて暮らし、獲物をその歯で解体して食べているので歯石がつくようなことはあまりありませんでした。しかし、人と共に暮らし食事を与えられている犬や猫は、最近になって歯周病の問題が多く聞かれるようになりました。これは今の食生活が悪いというわけではなく、昔は歯石がもとで歯周疾患が起こるまで動物が長生きをしていなかったためだと思われます。長寿になったがために、歯のケアが必要になってきたのです。

歯磨きの習慣

今の犬や猫は15年、20年生きることは珍しくありません。15年間歯を健康に保とうと思うと歯みがきは欠かせません。歯みがきの習慣は幼いうちからつけておくようにしましょう。まずは口に指を入れても嫌がらないようにするところから始めて、次に指にガーゼを巻きつけて軽く歯をこするようにして慣れさせ、最終的には、歯ブラシを使えるようにしていきましょう。
もともと犬より猫のほうが歯周病は多く見られます。猫に歯みがきを習慣づけることは難しいですが、将来のことを考えて、きちんと習慣づけることが大切です。歯ブラシや歯みがき剤などについては通っている動物病院に相談してみましょう。

耳の手入れ

犬や猫の耳の病気とは

犬も猫も外耳炎に悩まされることがあります。外耳炎とは耳道内で細菌や真菌が異常増殖して炎症を起こしている状態です。耳の中は炎症で赤くなり、耳垢が大量にみられるようになります。耳の中に痛さや痒さといった違和感があるために、しょっちゅう耳を掻いたり、頭を振ったりします。外耳炎を予防するためには、日頃から耳の中を清潔に保つお手入れが必要になります。

一般的な耳掃除とは

犬も猫も、たまには耳掃除をしてあげましょう。特に耳内がムレやすい垂れ耳の犬種や、耳の中に毛が多く生えていて汚れや湿気がたまりやすい犬種は、こまめにしてあげる必要があります。
中型・大型犬では指にイヤークリーナーで湿らせたティッシュペーパーを巻いて、汚れをぬぐってあげるといいでしょう。小型犬や猫では化粧用コットンがおすすめです。綿棒は見えているひだの間の汚れを取るために使うのは構いませんが、汚れを中に押し込みやすいので、奥に差し込んで使わないようにしましょう。

耳の病気に気づくには…

健康な耳道はほとんど汚れていません。多少の耳垢が出るのは正常の範囲ですが、多量の耳垢が出る、悪臭がある、液状の耳だれが出る、などは外耳炎の徴候です。
耳をしきりに振ったり、しょっちゅう後足で耳を掻いているのは痒みのためですし、首をかしげたり、耳をさわるといやがる場合は耳道の痛みの現われであったりします。こんな時はなるべく早く病院へ連れていきましょう。一度外耳炎を患った犬や猫は、注意しないと再発しやすいため、十分に気をつけてください。
回復した後も、その犬や猫にあった日頃の耳のお手入れ法を病院でよく教わりましょう。

肛門腺の手入れ

肛門腺異常の兆候

肛門腺に分泌物がたまると炎症が起きることがあります。肛門腺に炎症が起こると、はじめは痒みが強く、犬や猫は肛門を地面にすりつけて歩くような動作をみせます。ひどくなると化膿して、最後には肛門の斜め下の皮膚に穴があいて膿が流れ出てくることもあります。 肛門腺のトラブルは小型犬に多く、中・大型犬や猫では比較的まれですが、これは個々の生まれながらの体質が影響しているようで、大型犬でも猫でも肛門腺の分泌物がたまりやすく、炎症を起こしやすい体質の子もいるようです。

肛門腺手入れの方法

とくに異常はなくても、シャンプーの前に、肛門腺の分泌物をしぼり出す習慣をつけておくとよいでしょう。しぼるたびに多量の分泌物が出る子は定期的にしぼる必要があります。普通は一ヵ月に一回ぐらいです。たまりやすい子は一週間に一回程度しぼってもよいですが、それ以上頻繁に行うとかえって炎症のもとになりかねません。しぼり方は通っている動物病院に聞いてみましょう。